イチ押し!劇団やみ・あがりシアターの主宰に突撃インタビュー 

 

人物紹介
笠浦 静花
(劇団やみ・あがりシアター主宰)

 

 

東京大学在学中の2012年にやみ・あがりシアターを旗揚げ。
以降全ての作・演出を務める。
「全てを舞台にかけているため日々の生活が大変です。でも人に物をもらって生きていけてます。世の中は富のある人がいるから生きていけると感謝してます。」

演劇との出逢いは?
中学の時に関西から関東に引っ越した際になまりを直そうというのもあって演劇を始めました。

劇団を立ち上げたきっかけは?
大学の演劇サークルで、書ける人間が足りない時がありました。たまたまその時、書いたら楽しかった!演じる人はその人の場面だけしか褒められない、でも主宰はすべての場面を称賛してもらえます。そこに惹かれました。

劇団名の由来は?作風について教えてください
呑んでた時に、やみつきポテトを食べてて、ひらめいた!
やみ・あがりシアターだって。
正直、酔ってたから覚えてないんですよね・・・
作風はロジカルポップ、がちがちの伏線、計算された骨組みに可愛げのある皮をかぶせてる感じです。
大切にしていることは?
生きていることの思い出づくりと思って芝居をしてるので、いい思い出になるような話にっていうのを大事にしてます。
求める俳優・女優は?
一番はやったことない人とやりたい。
同じぐらい良いなという役者が二人いたらやったことない人とやりたいなと思ってます。
そこから知らない世界を広げたい、
いきあたりばったり感が良いことが生まれると思うし。ちゃんと失敗できる、これ違ったねってなれる人が良いです。
   
今後の展望は?
これからもがつがつ芝居をうっていきたいです。
今、年間3回のペースで芝居をうってます。
2016年度 テーマ欲望3本。2017年度 テーマ堕落3本
そして2018年度 テーマ殺生3本の予定です。

 

舞台を拝見した感想
今回、“神と戒律”がテーマということで若干身構えていた観客も少なからずいると思ったが、
宗教のイメージとしてある種のキャッチーさが見えたことにより物語へすんなりと入っていけた。
信仰、関わり、成長……自分にとっての絶対的な何かが崩れたとき新しく踏み出すのか、
それとも受け入れられずに歩みを止めるのか、その先は光か闇か。
集団、個、それぞれの人の結びつきが台本上でとても緻密に計算されていることが分かる。
そして伏線がきちんと回収されていく後半は、登場人物たちの変化の深みが増してくる。
次回作は酒と法律とのこと。
緻密に練られるであろう次回作もどうなるのか心待にしたい。